リヤ ドラムブレーキ調整

H26/11/16(87700Km):8年目のこの距離にして初めての調整です。
サイドブレーキの効きがかなり甘くなってますので思いつきました。
Pレンジで前輪に車止めを噛ませ、後部をジャッキアップしてタイヤを
浮かせ馬を噛ませます。タイヤを外すと写真のドラムブレーキが見えて
きます。大概はドラムを手で引っ張れば外せますが、固着している場合は
対角線上の2個のネジ穴にボルトを入れて行けば外れます。


ドラムを外すとブレーキシューが見えてきます。A=アジャストホイール、
B=アジャストレバー、この2つが自動調整機構の部分です。アジャスト
ホイールの歯を写真下方向に(ー)ドライバーで回すと、ブレーキシューは
外に広がります。この作動は抵抗なくできますが、逆にシューを縮める
場合の上方向の回転は、アジャストレバーを手前に広げてロックを解除し
ないと出来ません。アジャストレバーは指先で手前に引っ張れば可能です。
本来はこの操作が自動的に行われるわけですが、実際には各部の摺動
不良などにより充分行われない場合があるようです。従って2年に1度は
ドラムを開けてこの調整を行う必要があるようです。私の場合は今年までの
8年間この調整はやらなかったのですが、左右のタイヤでシューの摩耗に
差が出ており、ブレーキの効きにも違いがありましたので、今回の調整と
なりました。ライニングの残は4mm程で、摩耗限界は1mmですから今回
はシューの交換は行いません。


 自動調整機構の仕組み


@ブレーキ非制動時
アジャストレバー54は、アジャストスプリング68によって軸部材66回り
矢印G方向に回ろうとするが、54dがコネクティングロッド56の凹部で止め
られていることによって、軸部材66回りの回転が抑止される。また、リターン
スプリング24の力はアジャストスプリング68の力より大きいため、スプリング
68の力によってアジャストレバーがコネクティングロッドをブレーキシュー18
側へ移動させようとしても、一対のブレーキシュー18,20は開く方向には
移動しない。

@ブレーキ操作時
ブレーシュー18,20が開くと、アジャストレバー54と接する部分54dは
スプリング68の力によってコネクティングロッドの58部分をブレーキシュー
18側に移動させる。ブレーキ制動時において一対のブレーキシュー18,20
の開く量と、コネクティングロッド56とブレーキシュー20との隙間は概略同じ
となり、一対のブレーキシュー18,20の開く量に応じてアジャストレバー54
は54d部がコネクティングロッド56と当たって止められるまで、軸部材66回り
矢印G方向に回転する。

@サイドブレーキ操作時
パーキングブレーキケーブルを介してパーキングブレーキレバー48がバッキング
プレート16の中心側へ移動させられると、ブレーキシュー20がコネクティング
ロッドに押されて外周側へ移動させられるとともに、ブレーキシュー18がピン
50に押されて外周側へ移動させられるので、一対のブレーキシュー18,20
が外側に開かれて制動力が発生する。サイドブレーキ操作はシュー間隙
自動調節とは無関係である。サイドブレーキの調整方法は、ブレーキを開放
したとき後輪がスムースに回転し、ブレーキを1ノッチ操作したとき後輪が軽く
引きずって回ることとなってます。

@自動調整:ペダルON
ブレーキ操作によってブレーキシューが開かれ制動力が発生する。ブレーキ
ペダル操作が繰返し行われてライニングが摩耗しシュー間隙が大きくなると、
ホイールシリンダーにより一対のブレーキシュー18,20が開かれることに
よって、アジャストレバー54の軸部材66回りの回転に連動してアジャスト
ホイール60の歯と噛み合い、ライニングの摩耗量によってアジャストホイール
が回転させられる。それにより、コネクティングロッドが伸びてシュー間隙が
調節される。

@自動調整;ペダルOFF
ブレーキペダル操作解除時には、リターンスプリングの力によってブレーキ
シュー20とロッド56の先端部とが接するまでコネクティングロッドがブレーキ
シュー20側へ移動させられるのに伴い、アジャストレバー54はスプリング68
の力に抗して矢印G方向と反対方向に回転させられる。又、ブレーキペダル
操作解除時のアジャストレバー54の戻り回動時には、アジャストホイール
軸部の摩擦による回転抵抗によってアジャストホイール60の戻り回転が阻止
され、平板状のレバーがホイールの歯を乗り越えるようになっている。

@サイドブレーキ調整
・ パーキングブレーキペダルを1ノッチ踏む
・ フロア中央のカーペットをめくり、ボルト4本を外しパーキングブレーキ
  イコライザカバーを取り外す。
・ 写真のアジャストナットを後輪が軽く引っ掛かって回るところまで締め込む。
・ パーキングブレーキを解除し、後輪を回して引きずりがないことを確認する。
・ パーキングブレーキペダルの踏み代は5から7ノッチである。


@ブレーキシューの共通化
ブレーキシュー18,20の形状は共通化され、互換性があります。

@コネクティングロッド詳細